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山脇学園中学校さんの日記

2017年04月21日12:57

3月9日、山脇学園高等学校卒業式を挙行しました。
 

山脇恭学校長より、一人ひとりに卒業証書が手渡されました。

【学校長式辞】
 今年も芽吹きの春、巣立ちの春が巡って参りました。山脇学園が大切なお嬢様方をお預かりして六年が経ちました。教職員一同、最善を尽くして参りましたのも、この日の為といっても、過言ではございません。本日、このように多くの皆様にご参列頂きましたお蔭様で、第六十九回卒業式を盛大に挙行出来ますことは、学園にとって、この上もない喜びでございます。学園を代表致しまして厚く御礼を申し上げます。
 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。こうして立派に成長された皆さんに、六年前の入学式での皆さんの姿が重なり、六年という歳月の齎したものの大きさに、深い感慨を覚えます。
 皆さんは、人間の脳細胞のネットワークが最も盛んになるという、中学高校時代を、学習活動、部活動、体育祭、山脇祭、各種研究発表、コンテストなど、数々の学校行事を体験することによって、学力を高め、体を鍛え、教養を深め、協調性を培って来られました。その間、喜びや楽しさや達成感を味わう一方で、不安、辛さ、無力感、時には、折原先生ご他界のような、深い悲しみをも、味わってこられたかと思います。しかし、これ等は全て、皆さんの成長に大きな役割を果たす、得難い体験でもあった事を、どうぞ心にとどめて下さい。
 ご存じのように、房子初代校長は、明治維新で廃絶された武士階級に生まれ、数々の苦難を乗り越えて学問を修め、英語をマスターし、夫君の玄博士と共に、積極的に先進諸国の人々と交流されました。それも、ただ先進国の流儀を真似るのではなく、日本の伝統文化を大切にし、日本の礼儀作法にのっとって、堂々と彼らと交流されたのです。だからこそ、「山脇夫妻は、日本人としてのアイデンティティを失わない、見識の高い、信頼出来る日本人である」として、海外の要人から尊敬されたのです。
皆さんはこのお二人の理念を受け継ぐ山脇学園の教育を六年間、ご家族やそのほか多くの方々の庇護のもとで何の心配もなく受けてこられましたが、今後も同様な庇護を受けられるとは限りません。その時には、これまでの幸せに感謝し、自分がどのような人間になりたいのか、どのような場でどのように生きていきたいのか自問自答して、その目標に向かって、房子先生のように強く生きて行って下さい。
 ところで、英語では「社会人」を「working adult」とも言うそうですが、私はこれを、「働く場がどこであれ、自分の選んだ場で活躍し貢献し、生活していける人、即ち一人前の人間」のことであると解釈しております。皆さんの先輩の中にも、大勢の「working adult」が居られます。
 最近日本でも、女性の社会進出が徐々にではありますが、盛んになってきていますし、メディアも、女性を積極的に登用して成果を上げている企業をいくつか取り上げています。
 女性が甘えを捨てて自他を客観視できる力を持ち、その上で女性特有の強さを活かして働けば、女性を管理職として養成し登用する会社はどんどん増えてくる事でしょう。
ここで私の言う「女性特有の強さ」とは、女性が生来持っている母性の事であり、我が校の校章は、まさにその思いをデザイン化したものです。皆さんは、この校章を胸に六年間を過ごしてこられました。
 その皆さんに、次の時代を託していく私達の願いはただ一つです。障碍も多様性の一つであると考えられ始めた現代。また、多様性を持たなければ人類は絶滅していたという事が学問的に証明されている現代。そんな現代に逆行するような一部の人間によって、様々な危機を孕み始めている今の世の中を、誰もが自分らしく心豊かに生きていける世界にして欲しい、という一事に尽きるのです。
 今日から皆さんは、山脇学園同窓会に入られます。房子先生はじめ多くの先輩方がそうしてこられたように、どこにあってもご自分らしく、心豊かにご活躍ください。母校が、永遠に皆さんを見守り、応援し続けている事を忘れないでください。
最後になりましたが、保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。今日まで大切に守り育ててこられたお嬢様方の晴れ姿に感慨も一入でいらっしゃる事と存じます。私共教職員一同、大切なお嬢様をお預かりして全力を尽くして参りましたが、その間皆様には、山脇学園の教育方針、教育活動に深いご理解とご協力を頂き、更に多大なご支援を賜りました。改めまして厚く御礼を申し上げますと共に、これからも、お嬢様方の後輩が学ぶ山脇学園を、末永く見守って下さいます様、お願い申し上げます。
 卒業生の皆さんの、輝かしい未来と、お一人お一人のお幸せをお祈りして、式辞を終わります。

平成二十九年三月九日 
山脇学園 高等学校 校長 山脇恭

カテゴリ名: 学校生活

 

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