右向け右っ!という号令で先生方の方へ向き直った生徒たちが
「仰げば尊し」を歌い始めた。
何だか、小さい声だな…と思ったのは涙ぐんでいる子たちが
多かったせいか?
今日は長女の高校卒業式だった。
粛々と式次第が進む。
国歌斉唱から始まり、蛍の光で締めくくる。
むしろ母の時代以上に昭和なスタイル?オーソドックスな卒業式だった。
それは校長先生の式辞にもあらわれていて、
「かくもめでたき蛍雪の功を遂げられたわけでございます。」
毛氈が敷き詰められた中、吹奏楽部のありがとうの演奏と出席者の拍手で送られて各教室へ。
用意していたハンカチも必要なかったのかな?とチラっと
思ったが、クライマックスは第二ステージにあった。
改めて卒業証書が担任の先生から渡される。
ニックネームで名前を呼び、教壇の前に立ってから、なぜか
誕生日を読み上げ、ひと言、声を掛けながら手渡していく。
「もちろん家族は大事。でも、ひとたび学校へ来たら、私はみんなの母親。学校でのみんなと私の関係は親子やと思ってる。」
先生は独身で御年48歳。
いつもスタイリッシュだが今日はひときわ可愛い。
紫の着物に袴、革のブーツだ。
そして、その言葉どおり、親身とひと言では片付けられない、
もっと深い関係で結ばれてたのではないかと思う。
「私はいつも卒業式に歌ってるんです。」
唐突にアカペラで「乾杯」を歌い始めた先生に生徒や父兄が手拍子を打った。
代表で先生に花束を渡す男の子が泣いてメッセージが伝えられない。
それをみた別の男の子が、
「よっしゃあ、そこまで!最後に泣いてるおかんやおとんと一緒に記念写真撮ろうや!」
帰り際、ご挨拶したときに
「6年間の皆勤はお母さんのおかげやで。
これからは一人だちすること!」
(皆勤賞がアラームというのも面白い)
素晴らしい先生に出会えた娘は本当に幸せ者だ。
カテゴリ名: 中学受験2回終了ママ
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